米国医学研究所からの報告書と反響

IOM報告書の要約の写真2015年2月10日に米国医学研究所より、”Beyond Myalgic Encephalomyelitis /Chronic Fatigue Syndrome : Redefining an Illness(筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群を越えて:疾患の再定義)”と題する報告書と、4ページの要約が発表されました。要約を翻訳致しましたので、ご紹介致します。

ME/CFSの科学的根拠を検証するために、専門家委員会が召集され、報告書の中で委員会は、時宜を得た診断とケアを促進し、医療従事者及び一般の人々の間で理解が向上するような新しい診断基準を提案しています。さらに委員会は、この疾患の中心的な特徴をより正確に捉えるために、病名をME/CFSから「全身性労作不全病」(SEID)へ変更するよう勧告しています。

また、「報告書の最も重要なメッセージは、ME/CFSは患者の生活にしばしば重大な影響を及ぼしうる、深刻で慢性的な複雑な全身性疾患であるということです。ME/CFS患者の多くは、自分の身の回りのことを行うのが困難であり、少なくとも四分の一の患者はある時期において寝たきりか、家から出られないと報告しています」と記しています。

イギリスME(筋痛性脳脊髄炎)協会は、1976年に設立された由緒のある患者団体ですが、その顧問医師チャールズ・シェパード博士が、2月11日にコメントを発表しておりますので、翻訳してご紹介致します。

当HPでもご紹介しているドキュメンタリー映画「闇からの声なき声」に登場される、シカゴのデポール大学心理学教授のレオナード・A・ジェイソン博士は、患者達は新しい病名を受け入れるのをいやがるだろうと予想し、2月10日付けのニューヨーク・タイムスの中で、「委員会は綿密に調べることなく、新しい病名を提案してきました。患者達が望んでいるものと非常に異なっていますから、基本的にふりだしから非常に大きな不平や不満の声が出るでしょう」と語りました。

またジェイソン博士は、”Blog Post for Oxford University Press  ”に、「米国医学研究所は、MEという病名は医学的に正確ではないと強く主張していますが、多くの他の疾患は科学的正確さを求められていません(例:マラリアとは悪い空気という意味です)」と記しています。

この報告書によって混乱を招く恐れもあり、今後も注意を払っていく必要があります。

報告書の要約の翻訳はこちらからご覧いただけます
シェパード博士のコメントの翻訳はこちらからご覧いただけます

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