「ノーマライゼーション」にシンポジウムの記事掲載

img033篠原 三恵子
月刊誌「ノーマライゼーション~障害者の福祉」7月号の「列島縦断ネットワーキング」というコーナーに、「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群を通して考える『制度の谷間』のシンポジウム~難病法制化後に残る『制度の谷間』」と題する、3ページの記事を掲載して頂きました。5月24日に明治学院大学で開催した、シンポジウムについての報告記事です。

期しくも難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)が可決、成立した次の日に、シンポジウムは開催され、「制度の谷間」の問題を、ME/CFSという病気を通して考えました。ME/CFS患者の約25%は寝たきり、もしくはそれに近い重症患者であると国際学会が発表しているにもかかわらず、障害者手帳を取得できる患者は極めて稀で、日常生活において介護が必要な状態になっても、福祉サービスが受けられません。

法案の成立により、創薬や新たな医療機器の開発なども含めた難病の研究体制の強化、難病の医療費助成に係る予算の義務的経費化、対象疾患の大幅な拡大が実現し、現行では56疾患に限定されている医療費助成の対象が、約300疾患に広がる見込みです。ただし、今まで無料だった56疾患にも、一定の自己負担が課されることになります。

第一部では、重症患者の実態を描いた英国のドキュメンタリー映画「闇からの声なき声」を上映した後、第二部でシンポジウムに入りました。まず当法人理事長が、医療費助成の対象疾患には希少性が求められるため、筋痛性脳脊髄炎、1型糖尿病、線維筋痛症等の患者数が多い疾患は、対象になる見込みがないこと、客観的診断基準が確立していない疾患は、福祉サービスの対象対象にはならないことを話しました。

医師から診断されることなく、10年近く苦しんできた重症の筋痛性脳脊髄炎患者を、ずっとサポートしてこられた済生会宇都宮病院医療ソーシャルワーカー(MSW)の荻津守さんは、「制度の谷間」に陥ってしまう難病患者のために、本来どうあるべきかという姿をいつも描きつつ、ソーシャルワーカーができることは何かを常に考えることが必要ですと話し、医療や福祉制度の矛盾と闘うファイティング医療ソーシャルワーカーになってくださいと、出席していた明治学院大学社会学部社会福祉学科の学生さんに語りかけました。

今後の活動として、障害者権利条約や障害者基本法、障害者差別解消法では、難病や慢性疾患は障害の範囲に含まれており、「制度の谷間」を生じさせないよう規定されているのですから、患者数が多いとか、診断基準が確立されていないという理由で、尊厳を持って人間らしく生きる権利が保障されないことがあってはならず、これからも様々な機会において、問題提起していきたいと思いますし、政府に対し働きかけを続けていくつもりですと結びました。

 

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