「制度の谷間」を考えるシンポジウムを開催

明学でのシンポジウム大瀧先生14.5.245月24日(土)に明治学院大学において、「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群を通して『制度の谷間』について考えるシンポジウム」を開催致しました。明治学院大学社会部社会福祉学科の学生の方が多く出席して下さり、100名近い方がお越し下さいました。

明治学院大学社会学部の大瀧敦子先生が司会をして下さいました。第一部では、ME/CFSの簡単な説明をしてから、闇に葬られようとしていた重症患者の声を拾い上げた衝撃のドキュメンタリー映画「闇からの声なき声」を上映いたしました。

DSCF1324第二部のシンポジウムのコーディネーターは、明治学院大学社会学部の茨木尚子先生が務めて下さいました。茨木先生は、障がい者制度改革推進会議総合福祉部会の副部会長で、骨格提言をまとめる際に、難病や慢性疾患の患者が『制度の谷間』におかれている状況が解消されるよう提言して下さいました。日本の今の制度では、難病のうちわずか130疾患だけが障害者総合支援法入ったものの、病気になったとたんに困るし、たとえ病名が付かなくても困っている患者さんはたくさんいる状況をお話しくださいました。

シンポジストの篠原理事長は、ME/CFS患者の4人に1人は重症であり、通院することもできない患者が多いため、専門医にさえ重症患者はいないと思われてきたこと、30万人と推定される患者の中で身体障害者手帳を取得できた方は0.01%くらいであること、平成23年8月に障害者基本法が改正され、「その他の心身の機能の障害がある者」として、障害者に慢性疾患に伴う機能障害が含まれるようになったこと、難病法案が国会で成立しましたが、対象が130から約300に拡大されるものの、病名で区切られることに変わりなく「制度の谷間」が残るため、病名ではなく、生活の困難さに応じて支援する仕組みへと抜本的に変え、福祉サービスと医療費助成、治療研究の対象とは分けて議論すべきであること等を話しました。

明学のシンポジウム全体14.5.24もう一人のシンポジストである済生会宇都宮病院医療ソーシャルワーカー(MSW)の荻津守さんは、10年近く重症のME/CFS患者をサポートしてこられた方です。医師から異常はないと言われ苦しんでいる患者さんを支え、障害年金や身体障害者手帳の取得、公的支援サービスが受けられるようになるまで支援されてきた経験から、MSWとは目の前に困っている人がいるとき、患者さんの抱く不安や問題を一緒に考え、解決へと歩めるよう支援する職種であり、患者の立場に立って支援する仕事で、社会に立ち向かうソーシャルアクションも必要であること、本来どうあるべきかということをいつも描きつつ、ファイティング医療ソーシャルワーカーになってくださいと、学生達にメッセージを送られました。

会場の患者さんから、医師の方から理解のない言葉を浴びせられた後は、いつも荻津さんに話を聞いていただいたこと、手帳が取得できて、やっと一人の人間として生活するスタートラインに立てたと話ししていただきました。最後に茨木先生より、ソーシャルワーカーの仕事は障害や病気を治すことではなく、そうした現状を抱えた人がよりよく生きていけるようにすることという結びの言葉がありました。

広告