慢性疲労症候群から筋痛性脳脊髄炎へ

病名と会の名称について

慢性疲労症候群(CFS)をともに考える会
篠原 三恵子

みな様は、慢性疲労症候群(CFS)という病名からどんな病気を想像されますか。「慢性疲労」という病名ゆえに、患者たちは誤解と偏見にさらされてきました。

筋痛性脳脊髄炎(ME)は、初めて1930年代の文献に、ポリオとの類似性ゆえに非定型ポリオとして記されました。1956年に医学誌「ランセット」に、良性筋痛性脳脊髄炎という用語で登場しますが、疾患のもたらす障害の重さゆえに、後に「良性」は削除されました。最小限の労作後の筋肉の易疲労性及び長びく筋力の回復、記憶力・集中力の低下及び情動不安定などの中核症状を含む中枢神経の関与の他に、睡眠障害、自律神経系機能障害、循環機能障害を伴う疾患とされました。1988年にアメリカの疾病管理予防センター(CDC)は、この疾患を慢性疲労症候群と名付けましたが、イギリス・カナダ・オーストラリア・ノルウェーにおいては、筋痛性脳脊髄炎と呼ばれています。

2011年10月に発表された「国際的合意に基づく診断基準」の抄録には、「広範囲の炎症と多系統にわたる神経病理を強く示す、つい最近の研究や臨床経験を考慮すると「筋痛性脳脊髄炎」(ME)という用語を使用する方が適切で正確である。MEは根本に潜んでいる病態生理を表すからである。世界保健機関の国際疾病分類(ICD G93.3)において、神経系疾患と分類されていることとも一致する」と書いてあります。同年9月にカナダで行われた国際慢性疲労症候群/筋痛性脳脊髄炎学会に、当会の会員も出席しましたが、おおむね筋痛性脳脊髄炎とする事に賛成の声が多かったそうです。

この病気の国際的第一人者である、シカゴのレオナード・ジェイソン・デポール大学教授から、「将来、慢性疲労症候群や筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群という呼び方は、いずれ筋痛性脳脊髄炎に置き換えられることになる」というメールを、昨年末にいただきました。その中で、私たちの会で設立準備をしているNPO法人の名称に、「筋痛性脳脊髄炎」を使用することも薦めていただきました。

以上のような経緯を踏まえ、設立準備をしているNPO法人の名称には、国際的に普及しつつある筋痛性脳脊髄炎(ME)を使用することを提案します。皆様にご理解いただけますことを願っております。

2012年1月1日

 

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