慢性疲労症候群(CFS)とは

病名を英語で、Chronic Fatigue Syndrome といいます。英国では、筋痛性脳背髄炎と呼ばれています。

病状は深刻です。多くの患者は寝たきりで、回復はまれで、病歴20年以上という患者も少なくありません。慢性疲労の原因となる病気がないのに、生活が著しく損なわれるほど強い疲労が少なくとも六ヶ月以上の期間持続、ないし再発を繰り返し、微熱、咽頭痛、リンパ節腫脹、筋肉/関節痛、筋力低下、頭痛、睡眠障害、思考力/集中力低下などの症状を伴い、尿や血液検査などで器質的疾患も見つからない場合に、CFSと診断されます。原因もまだ特定されておらず、治療法もない難病です。

CFSの患者は世界中にいます。長年にわたって「身体的疾患か精神的疾患か、そもそも疾患が存在するのか」といった議論が続いてきました。しかし、研究が進んだイギリスでは、2001年に保健省が、すべての医師がCFSを深刻な病気とみなし治療するように指導しています。アメリカでは2006 年に、疾病予防管理センター(CDC)が、研究者や医師たちの研究結果を報告し、患者数100

万人、精神疾患ではなく身体的な深刻な病気であると記者会見で宣言。以後、研究者や医師たちの活動を支援し、認知キャンペーンを推進しています。CDCのホームページには、「完治する人はまれで、寛解を保てる人は5~10%にすぎない」と書かれています。
日本では、1991年に厚生労働省にCFS調査研究班が発足しましたが、その後、なぜか廃止され、現在は単に「疲労研究班」となっています。治療にあたる医師の数も減少しています。全国の医師の多くがこの病気を知らず、身体的疾患として認めないばかりか、「怠けている」とか「精神的なもの」と片付け、患者をさらに追い詰めています。

日本では38万人の患者がいると推定されています。患者たちは、見た目は健康なときと変わらないため、家族や医師たちに理解されず、病気のために職を失い、学校では“引きこもり”と誤解され、辛く孤独な生活を余儀なくされています。病気が進み長期化しても、救済のための社会保障もほとんど受けられません。外出するのも困難な病気のため、患者会さえつくることがむずかしい難病です。

          写真はCFSの実態を伝える米ドキュメント
             『アイ リメンバー ミー』の1シーン
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